ぎおんまつり

しおみまき

てはじめにひとに揉まれるカタルシスうおのにおいのいちばをぬけて

風呂敷の水玉もようひるがえしお稚児ぬうらりひょんと現る

髙島屋四条烏丸大通り化粧回しのおとこがゆくよ

ここかしこ四角四面にしこをふむ土俵がなくて怒号がとぶよ

てにをはにピンクパンサーぶらさげてそこのけそこのけヤン女がとおる

賑やかし古今トーザイコンチキチ打ち明けばなしうちあげられる

うつむいて輪郭のした紐むすぶ黒衣単衣のおんなともだち

ろうそくを削ったような首すじがゆらめいている 宵宵山に

長刀やごらん月鉾かんこぼこぎおんばやしをとおくはなれて

麒麟舞う夜空絢爛こくこくと喉を鳴らしてのむ瓶ビール

炭酸の泡立つちからおとこなど電光石火のシャツ着てはしる

くちびるに薄荷煙草に短篇をエナメルしつで声は呟く

エッキスをしつように描く。水滴は白くふやけた意識とともに

なまぐさい風はらませて少年がとびこんでくる ママはあちらに

ぷりぷりと鯛や鮃のカルパッチョ地上八階飲茶楼にて

ポウの音ほほ膨らませ照れている小龍包のオーダーとおる

冷房がききすぎているソプラノでまずは白菜クリーム煮など

こりこりとかれの煮こごりころがして慈愛にみちた固き歯触り

てのひらで眠っているわ。かわいそう。うまれそこねた子牛のように。

緊張をときほぐしたい官能のでろでろでろでタピオカミルク

美味しいのもう要らないの足りないの緑のゆびで摘まむパクチー

羊水に戻りたいのね。どうしよう。きみはあまりに手足がながい。

ねえママが呼んでいるわよ。かえるんだ。そして歴史はくりかえされる。

ヤウモウアおとなのための広東語舌打ちをするタッカタッカー

デザートは噛みしだかれてナタデココ薄き乳房にのこる散弾

むきだしのくろい触角とがらせて隠喩などなき七月の雨

触角はとぎすまされてVの字がちぎれんばかり痙攣している

けいれんは嗚咽となりてごぼごぼと錦市場のマンホールまで

嗚咽嗚咽嗚咽漏らせば可笑しくて不意にわらってしまう慟哭

いしきがね溶けてゆくのよ地下道の雨にやられて まいまいかぶり

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