誰も知らぬ

しおみまき

あじさいのぼんぼりりんに手をあてて晴れたけしきのかみなりをきく

すいようびしんせきがきてすしたべて不安ざりざりすいかのジュース

ストローの息あふあふとたまあそび あしかのおもちゃの名ははんだっけ

とらのおをなでて撫子なつごもりとおき授業の山月記かな

まつりのひ少女時代にほほよせて ひよろひよろと笛のうたごえ

ひそやかな祈りこめつつ折り紙のきらきらひかるたなばたまつり

れんれんと墓地へとつづくさかみちは蝉がすずなり恋がすずなり

兄さあん!叫んだけれど誰も知らぬ 太宰治の「女生徒」を読む

自意識のシャンプーだけが残り香のでんしんばしら。いづみ荘まで

水紋の石がひときわうつくしい恋のなやみはよるに吸われる

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