3月

1日

はれて就職。
あたらしい生活
はじまりはじまり。


2日

砂袋のような
からだ。
どっさしとした
重みに身をまかせて
ねむることにする。


3日

ひなまつり。
ほこほこと
酒饅頭のこころもち。

あのかどを曲がりそこねて沈丁花
ひとつだけ。そつとのせましょひなあられ

仕事が終わってから
ともだちと会う。
のどががらがらになるほど
よくしゃべりよく笑った。

ほろ酔い気分で
ふと見上げると
京都タワーは
お色直しをしているようす。


4日

あさ
お腹が空いて
目がさめる。

ごはんに納豆
なにもかもが
おいしくかんじた。

ぽかぽか陽気のなか
ひとを迎えに京都駅へ。

お・み・や・げ・は
銀座いちごだって
へえ。


5日

開花兒! 開花兒! 
かいほある! かいほある!
あたりいちめん花ばたけ!
老爺(ラオイエ)の指さすままに
シャッターをきる。

1994年3月5号
上海ー昆明 火車上


6日

それが恋
かもしれぬと
気付いたのは
発車してからのことだ。

三天朋友。
さんてぃえんぽんよう。

老爺(ラオイエ)が
こちらを見ずに呟いた。

三天朋友。三天朋友。

1994年3月6号
上海ー昆明 火車上


7日

休日。
喫茶店と本屋のはしご。
ブラック珈琲のうまい店では
店主のおばちゃんが
アルバイトの男の子に
核心に触れるような
質問をつぎつぎとしていた。

かえったらなにしてるのん?
なにしてるときがたのしいのん?

どきどきした。
こうゆう質問をしたり
されなくなって久しい。


8日

うそのさんぱち。
からかいつつも
両親のけっこんきねんび。
37年もつれそっていると
いう。はあ。


9日

生ビール。
チューハイライム
冷酒いろいろ・・・
五臓六腑も歓迎会。
はあ。満ち足りた日は
バスでかえろう。


10日

あめのおと
ひとつとっても
春だとわかる。


11日

マキと会う。
同じなまえの同級生。
びじんなツアーコンダクター。
このひとと懐かしいはなしは
ほとんどしない。


12日

あたたかな冬だったが
名残りの雪か、
ちらついたり
寒い日がつづいている。
近所のさくらの芽も
ふくらみながら
まどろんでいるようす。


13日

寒い日が続いている。
湯たんぽふたたび
だいかつやく。


14日

思いがけず
ホワイトデーを
いただく。
ああ、うれし。


15日

休日。
北大路から植物園まで歩く。
向かいの進々堂で焼きたての
パンを買って入る。
休憩所は予想外に混んでいて
中学の教室のような
においがしていた。
お弁当箱の蓋に
ついてしまった海苔。
飴ちゃん、チョコレイト、
甘納豆など配りあるく
おばちゃん。
図鑑に顔をへばりつけては
ぶつぶつ言ってる
おじいちゃんもいた。


16日

シフトでうごく生活。
すこしずつ慣らしてゆこう。


17日

風のつよい日。
寒くていちにちもぞもぞしてた。
本一冊読めた。
角田光代「ピンク・バス」


18日

朝、吹雪いていて
びっくりした。
目がしばしばするほど寒い。


19日

鶯の鳴き声で目を覚ます。
調子っぱずれのホッホケキョ
こう寒いんじゃしゃあないか。


20日

そういや。
そういや小学生の頃
先生あのねノートは
隠しながら書いたし
こうかん日記を盗まれたら
必死で追っかけて
取りかえしていたなあ。


21日

京都駅ビルのイベントの
チケットをもらったので
小柳ゆきのライブをみる。
予想どおり小さなからだに
予想以上の声のボリューム
「藤原道長を読んでます」と
言っていたのが面白かった。


22日

午後からあめ。
帰りに沿線のさくらが
ぼーっと白く光って見えた。
よく見るとつぼみがふくらんで
ほころびかけていた。
咲くまえがけっこうすきだ。


23日

きょうは、遅番。
閉店間際のジューススタンドで
あつーいポタージュスープを
どくどくと飲む。


24日

休日。
いちにちあめもよう。
傘さしながら靴ぬらしつつ
ドーナツをたべにゆく。


25日

シフト制で飛び石連休。
きょうは出勤。


26日

休日。
バスでゆるゆる京都駅へ。
定期券の購入など所用を済ます。
発作的に京都タワーのぼってみよっかなと
思ったが、中はなんかしょぼくてやめた。
しかしここでは
ふるい型のスリーピースを
きっちりと着た妻と首からカメラを提げた夫という
レトロな観光ルックの夫婦を何組かみることができた。


27日

角田光代「恋するように旅をして」を読む。

一人旅の感覚が何度もよみがえる。


28日

もうすぐ父親の誕生日。
65。うそみたいな年齢。
伊勢丹からシャツをおくる。


29日

cocon烏丸の天天有で
ともだちとらーめん。
その後、最寄りのカフェで
10時頃までしゃべって帰る。


30日

ちちおやの誕生日。
休日なので美容院にいきがてら
実家に寄ろうと朝でんわしたら
父はしごと、母は伊賀上野に行くという。
美容師さんのほうが詳しくて
「青春18切符で行くらしいよ」と
おしえてくれた。

映画「アルゼンチンババア」をみてかえる。
映画、じつに1ヶ月ぶりだ。


31日

2がつ3がつと
長いトンネルのようだった。
あすから4がつ。
もうだいじょうぶ。


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